鉄と骨/
木立 悟
錆びゆくは錆びた空の下みな錆びて白を見上げる白の海鳥
器から器へ踊る手焼けただれなお幸もとめ笑みをいつわる
泥のなか流るる傷をひろいあげ捨て置けばただ人となりぬる
見上げても見下げても世に文法の亡者尽きまじ読み仮名嗤う
人を見ぬ四つの光ころげ落ち我が目ならずや我が火ならずや
器から器を隠し熱を見る果てなく狂う幸の骨を見る
生は生き死は死してなお七色の幽霊のよな虹を指す冬
死にかけた世界を奮い起こすよに鉄器が鉄器を砕き割る夜
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