サイレンス/
石畑由紀子
上皿の落ちぬ程度の揺れならば均等と呼ぶ 胸に天秤
満水の体育館で耳鳴りがしてからずっと水底に居る
液晶を両手で包む二十五時 言葉はなにを伝えるだろう
抱き合った指先でしかひろえない音調で哭く 《私を、《見つけて、
安静という名の猶予 手のひらには確かなものが確かなままに
引力と遠心力が釣り合って愛という名の静けさを、知る
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