牙/
石畑由紀子
三度目はもう事故じゃない 手のひらで古い磁石が廻り続けて
喉笛は砥石の音色 組み敷かれ我意志のある屍となり
呪いである 凝固と気化を繰り返す二つの肉を月光が刺す
鏡面に君の太古を焼きつける一夜で消える右胸のあざ
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