鞦韆/Amelia
懷かしき潮流れ込む如月の透かせば碧きステンドグラス
人波に押されし君が目に留まるふららこゆるるふらここゆるる
筆無精してをりまするわたくしの指はタイプに吸ひついてをり
たま風に打たれて昇る瀧の夜の君の憂ひを星は照らさじ
すれ違ふ星の暦の妙なれば八年前と同じ如月
ちはやぶる雷神連れた君の背に射掛けし夜半は春の夢かな
解析と数多の鼓動驅け拔けて君シンジュクの雜踏の中
言の葉の碎けてもなほ蜻蛉玉なにゆゑ君は雜踏に立つ
言の葉を綴り晒せば露のごとそのまま置けば氷柱ばかりで
目を開けたまま白椿よこたはるこの森の下蟒蛇の舌
刹那だけ捨てて去られよ分け入れば鎌鼬住む彼岸の縁は
明日には誰の命のともしびに光を注ぐ君の指先
1670萬色正誤表君の光は鉄味の赤
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