冬午/
木立 悟
燃えつづけ光の穂になる音になるこがねもとめるけだものになる
穂の陰に白と鉛のうたがあるまだ見ぬ夜へまだ見ぬ海へ
曇りから水と光が去るたびにひとしく遠くしあわせも去る
雪の影見えないものの前にある便りのように便りのように
音が溶けかたちとなって地に刺さりはばたいているはばたいている
暗がりを静かに覆う暗がりの目をつくる枝赤く鳴る枝
冬空が冬も空もみな捨て去って降りそそぎくる抜け殻の色
陽の声の決して触れ得ぬ重さたち指の上の指あがないの指
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