マグマ/
石畑由紀子
後(ご)にまわり我の影、という君がいて 君に見えざる影 我にあり
『君がため』 粘土で出来た人形(ひとがた)は受け入れがたき奇形児となる
夕焼けに踏みだす我の足首を掴むのごとく君の愛撫、よ、
舌と胸絡めとられて、聞こえるは胸を裂けずに声なき声の、
痙攣すちいさき花が叫ぶ名はまぶたの裏の焦がれし景色
混沌は混沌のまま手を繋ぐ 人に二つの手のひらがあり
ふりつもる寝息の床でひとり覚めて 見つむは地下の渦巻くマグマ
戻る
編
削
Point
(5)