秋の足音/宮市菜央
 
真夜中に未だ帰り来ぬ君がため
 敷きし布団の寒さ寂しき


桃色に未だ遥けき桜木の
 したたる緑を君と歩まん


夜の湖に照りぬ灯りの瞬きと
 あなたの瞳の星の輝き


夏過ぎし結婚指輪の傷を見て
 日々の家事の年輪と見ゆ
戻る   Point(6)