54P 「短歌2」より/むさこ
 
草市に うみほほづきを購いて
海の味する遠き幼日

朝ごとにくぐもり啼ける鳩の声
故里に啼く森を想えり

西陽射す路に日課の水をまく
秋めきし風に虹たてながら

白白と待宵月は行き来する
ヘッドライトに照り陰りする

瓢箪の下る風情に立ち止まる
夕映一際燃ゆる路地裏

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