君がいる夏/ささやま ひろ
 
梅雨明けに急いで飛び乗る夏行き電車今年は手元に切符が二枚


右ばかり覗いた出店のお目当てはあんず飴食む君の横顔


息はずみ灯台目指して漕ぐペダル二人乗ってる重さが嬉し


幾重にも刹那に咲いた光の花今宵心に摘んで帰ろう


寄せ返す波の数だけ伝えたいいつも言えずにいるアイシテル

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