44P 「短歌2」より 〜北山杉 etc/むさこ
 
ブルドーザー河川工事に爪上げて
アワダチ草を踏みしだきゆく

谷わたる霧のさざ波見て過ぐる
炎ゆるが程の紅葉なかりし

皮はがれ磨がかれし肌のつややかさ
杉の匂いの立ちこむる里

杉の木に吸はるる如く近よりて
触れば冷たき肌に戸惑ふ

並べらる杉の木肌に触れてみつ
尊きものをみる心地して

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