36P 「短歌2」より/むさこ
 


手の上にカプセルの薬あそばせて
次ぎ編む服の配色と決む

夢に見しことくり返し夫語る子等は
留守にて話題ひとこま

硝子戸に写る雪影大きくて二人の夜が
童話めきくる

首すじに落ちし一滴立ちすくむ
仰げば松の梢のそよぎ

冬空に高く上りし凧一つ車窓に
ひととき安らぎにけり
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