25P 「短歌2」より/
むさこ
冷房のつよきビルより出でてきて
鋪道の照りは肌にほどよし
寝袋を肩に出て行く子等のあと
逝く夏の風追いかけてゆく
留守宅の犬に餌やる三日目を
信頼しきる犬の目と合ふ
矢も楯もたまらぬ如き仕草もて
吾れを待ちゐる犬愛しもよ
蒲公英(タンポポ)の綿毛半円に残りゐて
激しき雨にゆれつつ保つ
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