9P 「短歌2」より/むさこ
 
ほこりせしゴムの鉢をば雨に打たせ
ついでに心もなどと思えり

梅雨明けの豊かになりし賀茂川の
水しわに照る夏陽が眩し

云ひわけの言葉聞くとき掌に
猫のまばたく感触も知る

忘れたき事多かりし日も暮れて
肌に掛けたる布団しめらふ
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