冬と終わり/
木立 悟
頬つたう流れに小指吸われつつ鏡のなかの老いを見つめる
死にかけた小鳥を隠す藪はいま蕾の波に覆われており
窓たたく冬の名残りをふるわせて排水口をふさぐ髪の毛
木のうなじ鉄の鎖骨に映るもの救いもとめる瞳に映らず
弾かれし獣と子らの背(せな)の火に羽を植えゆく指の冷たさ
誰でもいい首を絞めてはくれまいか降り来る言葉絶えたその日に
くだらないうたうたいにこそ救いあれ私は私の地獄へゆくから
風を吸い風を吐く日々繰り返し私の終わり飛び去る眠り
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