6P 「短歌2」より 〜塩田より京都へうつる時 昭和三十四年七月/むさこ
 
吹雪舞ふ街並暗くなりゆきて
車の尾灯赤く際立つ


娘の買いしロシヤ民謡の低き声に
ほれぼれと聞く灯を消す部屋に


隣家に毎日来る左官屋の
両肩に今日 サロンパスあり


まぎれなく母の筆跡荷札有り
久々なれば丹念にとく


七十路を越す母自ら摘み呉れし
新茶は梅雨の晴れ間にとどく


冬ざれし公園の中のプールには
落葉溜りて風の輪となる
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