4P 「短歌2」より 〜塩田より京都へうつる時 昭和三十四年七月/むさこ
 
なじみ深き土地を去る日の迫りきて
一日短く覚ゆ昨日今日


何事も知らぬ猫といて この土地を
離るる事を息子は言ふており


感傷にひたるひととき青梅が
音たてて落つ庭石の上


雨に濡るる茄子の色つや美しき
それさえさみし なつかしの土地
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