2P 「短歌2」より 昭和三十三年/むさこ
 
畠に居る吾れに遠くより手を振りて
かたみに呼びて吾子等帰りくる
  (塩田のお宮さんあたりから)


稲木立ち視線さえぎられし彼方より
ハミングしつ吾娘帰りくる


幾年か経てば少女期越ゆるべし
脊流し合ひて共に浸りぬ


青空に白き線引き音もなく
ジェット機の行く距離のたしかさ
       (「山東広報」に出る)

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