「 くつはいつもはだし。 」/PULL.
 






不確かな憂鬱が胸を撃つ。
交差点に逃げ場はない。
誰にもだ。






長靴を履いて雨の上を歩く、
いつもこうやって泣いているの。




通り過ぎた靴音は遅くて気持ちの分だけ湿って聴こえたよ。




退屈なのは誰の所為。
あいつの所為なら、
きっとあいつは靴擦れしてる。


あいつの靴を残して旅に出る。
行く先は誰もはだしも知らない。










くつはいつもはだし。
きゅうくつなのはあし。
すてられたのは、
はだしのあし。












           了。


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