青星/リリー
風が金管の旋律になって
とうとうと胸を揺さぶり
東の空を見あげると
青白く輝くいちばん星
電線の陰が夕闇に消える
鈍色の舗道
星になれない
タワーマンションの窓灯りは
空から降りてくる
夜の楽団を待っている
灯りたちは夜な夜な
パートナーをみつけて
ステップを踏み語らい始める
どこか悲しい目をしたお相手の
そのわけは聞かないで
あたらしい日が昇る空で
ひとりぼっちのいちばん星は
都会の崖に咲く
冬の菫
その瞬きは、わたしにも
さよならと囁いてくれている
腕時計の針がかみくだく
穏やかな一刻に
もれる欠伸のような軽い溜息
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