パズルピース/りつ
ふと目が覚めた
午前2時48分の沈黙は雄弁だった
部屋がいつもより広い
1万ピースのパズルを
引っくり返したみたいに
寂しいが散らばっている
布団からはみ出した
肩が寒い
暖めてくれるひともいない
ひとりを笑う
水を飲もうとして
寂しいを踏んだ足裏は
チクリと痛み
思いがけずに
一歩をためらう
自由と孤独はワンセット
人生は片道切符の特攻だし
目隠しして綱渡りをしているようなもの
見えない方が
知らない方が
気づかない方が
幸せなことは山ほどあって
見えないフリは
得意になった
落っこちている
寂しいを包む沈黙を
1個拾って食べてみる
ほんのりしょっぱく
流さない涙の味がした
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