自由/栗栖真理亜
 
詩を書けば何にでもなれる
自由になれると思った

自由とはなんだろう
言葉の鎖でがんじがらめにされ
世間の意見に振り回され
誰もが分かるような魅せる詩を書けと言われる

己の詩が稚拙であることはよく理解している
発表して評価に値するような詩ではないことも

迷いながら
畳の縁を見つめながら
詩を紡ぎ出す

掻き毟る手指からは血が滲み出した
痒さと痛みと悔しさと
脳内で掻き混ぜながら
詩というごく限られた空間のなか
自由なき自由を浮遊する
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