彼が見つけたもの/弥生 陽
こんな小さなアパートで
小さな会社で
毎日毎日
実につまらないものでした
貧乏とは言わないものの
それに近い生活の中で
中途半端に腹が減るのは
なんとも情けない話でした
こんなとこから早く抜け出して
もっと大きなことがしたい
僕は、実力が評価されてない
こんな小さなアパートに
もう10年も住んで
こんな小さな会社で
もう10年もやってる
このまま20年30年
ここにいるのだろうか
10年前にいた人たちは
もうどこにもいなくなった
僕はいつまで
ここにいるのだろうか
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