二人乗り/
たもつ
リンネルの
浅いシャツ
荷台に腰かけて
夢見るように
夢を見ていた
わたしにはいつも
掴めるものが
用意されていた
時々それは
誰かの手や背中
時々それは
雲の切れ端
はぐれないように
迷わないように
身の丈にあった太陽の光
生きていることの
匂いを嗅いだ
心が軽くなる
心より軽い
身体が消えていく
風景と見分けがつかない
わたしたちはもう
誰かが見た夢の
余韻だった
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