氷河の朝/ホロウ・シカエルボク
女は朝早く家を出て行って、俺は彼女の最後の言葉をシンクの中で火葬する、昨日まで続いていた雨は止んで、ブルーの薄いスクリーンが貼られてでもいるように空は均一に青い、真夏の様な猛烈な光と熱が暴れ始めているけれど、積乱雲になるにはまだ少し早いみたいだ、よく考えてみればその前に梅雨がある、気温が安定しないとそうした認識が一気に乱れてしまう、今日と昨日で温度差が十度もあるなんてまったく世界中で狂い始めているのは人間だけじゃないのかもしれないなんて考えてしまう、滅びの日は始まっている、進化をやめた時点で、でも日曜の朝に差し当たって問題にすべきことは、1人で朝食を作って食べなければならないということだ、けれ
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