光の在り処/栗栖真理亜
 
温かな光りのなかで
僕は涙の雨を降らす

柔らかな幻が僕を包むから
差し出された手のひらも
闇に包まれる

もう夢見る刻(とき)は過ぎて
虹色の夢が
微妙な翳を揺らしている

ジワリと拡がる胸の傷みも
微かな熱を帯びて
僕の瞼を熱く濡らすよ

ねぇ、
黒く垂れ込めた雲の隙間から
偽りの涙を流す
光りの在り処を教えて

もしも、
哀しみのその先にある未来も
希望に変わるなら
明日へと繋ぐ足音を聞かせて欲しい
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