詩想、私の中で思考するもの/ひだかたけし
濃くなる春の半袖に踊り
生かされ寛ぎ過ごし生きて
夕闇に心の塗れ始める時頃に
否定の楔、天から振り落とされ
感覚の粉砕され消え透きとほり
不在になる己の内から現れの宇宙
賑の天国も苦の暗黒も渦巻き回収され
深々とこの世界現の深みに頭を擡げる気に
取り巻かれより深く識る待望の瞬間にこそ
行く末この肉身を粉砕し呑み尽くす自然本性
如何にも露骨剥き出しこの私なるもの取り巻き
改め新たこの意識魂の奥処に蠢き住まうもの
己と一体化し水に地に風に火に自ら変容させ
今や遠い春、半袖はためく感覚の揺らぎ
その記憶込められた想いを自身に投擲し
粉骨砕身の限り尽くし戻す感覚の色々
抉り出されたこの世界の現の一端担い
濃くなる春の朝から夕の意識の振幅から 、
残響する己の内なる霊性に畏怖込め只々振り返る
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