パースペクティブの彼方へ/
室町 礼
信号灯やネオン
パンの配達車ごみ収集車の往来が
電柱と電線がつくる
パースペクティブの彼方へとつづいている
身体を動かすだけのために
自転車をひいて
明け方の街を歩いていると
人もビルも
明るみはじめた青空を残して
いっそ消えてしまえば と
吐く息のように
夢想する
いずれすべてついえ去るのに
一生懸命に宝物を転がす虫たちを
株で儲けた
ファーブルが眺めている
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