原音響/ひだかたけし
 
ゆれている
ふるえて
にじみ
じわりしずまり
ひょいとまた
ふるえあらわれ
ゆらゆらら

ゆらゆらするの
ひびきのたゆたい
のびやかたましい
どこへどこから
のんびりのびのび
いろづきはじめ

やがてすっと
しのびいり
はざまぎわに
じわりじんわり
ひたりきり
いのちひきさく
さかいこえ
かわりいくのは
いしきのさま

ゆれてふるえて

あけまだま
なにもかもが
もはやとほく
すきとほる
てまえにして
ひきもどり

 此処に居る
  肉身の私、
 息衝きなから

 脳髄に 、

 残り続ける
  揺らぎ響き、
 只々聴き入る

ただそれのみ

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