nakineiri/饂飩(うどん)
 
成就せぬ正義感の燃え残りが心に刺さって痛い
右手の一本くらい迷いなく捧げられたなら
私はどんなにか勇敢だったろう
何の為にもならない発汗を知覚していて流せない
掌に握り隠したモヤモヤごと蹴り飛ばしてくれ
かつて予定表に記した台詞から始まる物語の殆どはスヌーズが鳴り終わるほどに深い場所で体温を忘れ彷徨っている
ふらふらと風に流されるがまま歩いてみても辿り着く場所など既になくて
黒いだけの鳥が神の使いになれたのは地図をよく読んでいたからだと分かった
いつかくる見たい未来
次に覚めた時のため
使える肩は漏れなく温めておく
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