京男の看病/花野誉
 

熱が出て

どうしようもできなくなって寝込む


苦手な液体の薬を

私に無理矢理呑ませ

みかんをてんこ盛りにして

始終世話を焼いてくれた

いつもは私に強く出れない人が

ここぞとばかりに強く出た


京都の冬は底冷え

ここの冬とその人には

とりあえず

抗うことを止めにした








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