京男の看病/
花野誉
熱が出て
どうしようもできなくなって寝込む
苦手な液体の薬を
私に無理矢理呑ませ
みかんをてんこ盛りにして
始終世話を焼いてくれた
いつもは私に強く出れない人が
ここぞとばかりに強く出た
京都の冬は底冷え
ここの冬とその人には
とりあえず
抗うことを止めにした
戻る
編
削
Point
(5)