hiru no koto/饂飩(うどん)
 
さりげない正午にそっくりな
仲間意識と飽和水溶液
半ば強引に立ち並ぶ一輪車
褪せた水色
左腕のギプスで響かせる
小さな夜の曲と それから
引かれた机に挟まれる
ギンガムチェックのランチョンマット
味噌汁を見つめる少年
みんながいてひとりだった
いまから掃除の時間です
吐くか掃かれるか
鐘の音が鳴り止むのを待っている
午後はいつも
感情の余りを少しずつ溶かすように過ぎて
宿題はない
誰かの笑い声が聞こえる
徒歩30秒 関係ない
奪い取った指人形の名前
掠れたインクに滲む後悔が
あすあさっての背筋を伸ばす
校庭に落ちてるボールの影
用務員さん
怒鳴り声が蘇る
いくつかはたぶん
僕らの忘れ物だろうな
また今度回収しにいこう
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