タイから来たアイツ/饂飩(うどん)
いつもより遠く走らせた自転車
未知の風景に気もそぞろ
地に足が着かないって比喩じゃなくて
夕方、川に落っこちた
小さな魚がキラキラキラ
僕がいた、一瞬だけ
水は本当に綺麗だった
ゲラゲラと、あいつは渇いた心を見せつけ
僕だけが自作自演の虹色を追いかけていた
立ち漕ぎダッシュの帰り道
いっそう冷たい風が2人の隙間を吹き抜ける
スーパー裏の薄汚れた室外機
服を乾かす時間の会話
咲いていたはずの笑顔や蒲公英のこと
うまく思い出せないまま
あいつ、蒸発してしまった
ニーアライカップ?
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