受難曲/栗栖真理亜
バッハはキリストが復活するまでの受難を描くことで
困難を乗り越える希望を描こうとした
後々の人々もお互いの違いを乗り越え
声を合わせて彼の曲を歌い継いできた
長い年月を経てどれだけの人々が流してきただろう
苦渋に満ちながらも輝かしい汗と涙を
昨今の指導者は少しでも気に食わなければ
指揮棒を振り振り嘲りながら
頭ごなしにお前らメゾソプラノは厄介だから歌うなと怒鳴りつけるらしい
お前らの努力する姿などいらぬと
毎週二日休みなく出席して疲労も厭わずに練習ばかりに明け暮れた
自宅でも暇さえあれば朝から晩まで楽曲のCDをかけて歌いまくった
今まで触れたことすらないドイツ語も必
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)