シロツメクサを探して/栗栖真理亜
私の瞳に映る翠の波
歌うようにうねり爽やかな風を起こす
私は眠りから醒めて大切な時間を探すの
輝きと幸福とが包み込んだ笑い声
それは私にとってのたからもの
いつまでも微睡んで微笑みを浮かべている
ねぇ、シロツメクサを探して
幸せを運ぶあの草を
手を真っ赤に染めながら波を掻き分け探すの
ねぇ、まだ見ぬあの子を探して
内緒の話をあの子の耳元で囁きたいの
くすくす笑いがまだどこかで聞こえる
どこからが夢でどこからが現実なのか
わからないまま
私は翠の波のなかを探し続ける
ねぇ、あの子の小さなシロツメクサを探して
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