星の道/201
病気にならなければよかった
と母は言う
そも病気というものが
自分の選択であったと言いたげに
病気にならなければ
良い大学に行って
良い会社に就職し
良い生活をさせてくれた
その辺りまで考えて止める
これが社会の一番小さな単位
つまりどこまで大きくしたとしても
何もかもがここから始まってここで終わる
その辺りまで考えて止める
星の海に思いを馳せても
月の道に慣れ親しんでも
暗がりに見付けた希望も
結局このすこぶる醜い母というものが蹴散らしていく
病気に
ならなければ
良かった?
しかめ面を覚え
唇を尖らせて
眉間に
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