青い涙/atsuchan69
 
炬燵に潜った黒い詩のかたまりを蹴とばした
かたまりは、黄色く悲しい柄の炬燵布団を這い出して
畳に埋め込まれたトランジスタの蜜を指で掬った
雪と雨の雑じった空の涙を、吊し柿はただ見ている

正月くらいは、黒いかたまりを愛したかった
アレクサに頼んで邪なカーテンを閉めよう
ボクの日常は記録され、統計データとなって雨雲になる
やがて空は、雪と雨の雑じった冷たい涙を降らせる

青く光る瞳が、黒い詩のかたまりを見つめ
儚い身体から幼くか細い乙女の清らかさを奪った
眼の前のかたまりは、今では裸の牝だった

牝の、淫らな声が、骨伝導ピアスから音になる
ボクたちは非接触の畳の上でじゃれあい、キスをした
孤独と夢の境を、軒先の簾柿が黙って見ている























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