すなはまで骨をひろう/そらの珊瑚
 
いつか森のいちぶだったもの
小鳥をすまわせ
そのうたに耳をかたむけていたもの
みどりの葉をめぶかせ
ゆびさきは空へとむかう
よるになれば流れる星のゆくえを占ったもの
むささびの発射台になったり
恋の蔓をはびこらせてもいた
嵐にほんろうされたり
凍えてじっと耐えるしかない日もあった

いくどとなくそんな季節をみおくり

時にながされた木は
今、白い骨になり
つややかで
なにもまとわない
ここは寄せては返す涯(はて)
戻る   Point(16)