すなはまで骨をひろう/
そらの珊瑚
いつか森のいちぶだったもの
小鳥をすまわせ
そのうたに耳をかたむけていたもの
みどりの葉をめぶかせ
ゆびさきは空へとむかう
よるになれば流れる星のゆくえを占ったもの
むささびの発射台になったり
恋の蔓をはびこらせてもいた
嵐にほんろうされたり
凍えてじっと耐えるしかない日もあった
いくどとなくそんな季節をみおくり
時にながされた木は
今、白い骨になり
つややかで
なにもまとわない
ここは寄せては返す涯(はて)
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