メルヘン/
 
喪服の人たちが蠢いている
涙も出ない
感情がわからない
現実を受け入れない代わりに
不思議な出来事を受け入れる
それに救われながら
不思議な世界の隙間から見える現実を
少しずつ引き寄せて
物語を紡いでゆく
地に足がつくようになったら
物語はお終い

本をゆっくり閉じた
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