花/ひだかたけし
直進する時流とは
時に垂直に交差し
慎重に回避して
歩みを異にする
子らのいく
途を進めば
わたしの内に
花が、咲く
咲き開きながら
崩落スル氷河の力
見えざる神聖な
純粋思惟力動
花を貫く愛の力
自らの内に働くを
確と見据え育みて
更に陽の光に憧れ
遥か上空の領域に
舞い飛ぶ舞い踊る
優雅な鱗翅曲線
うつくしきかな
いさおしきかな
見上げつつも
しかも尚も
この地上
移民達の
悲劇と暴虐
入り混じり
滲む混濁模様
この花の重き色荷
荷を下ろさせんと
浄化の途を子らといく
歩み異にすること
己に許されあること
認め識った今だからこそ
内に広がる普き光の大洋
直に観る力更に強めんと
意識の清明にして尚も醒め
廃墟の遥かへ、内なる子らと
己の肉身の破滅を見据えつつ
花が、咲く 私と云う魂の名の他者
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