お知らせ/たもつ
枝豆を指で押す
次々と小人が出てくる
豆はどうしたのか聞くと
食べてしまった、と言って
好き勝手に言い訳をし始める
とりあえず並んでもらい
一人ずつ聞くことにする
話し終えた者は
窓を開けて静かに出ていく
話のほとんどは
出鱈目な気もするけれど
皆、誰かに
聞いて欲しいことがあるのだ
夜が更けても
小人たちの数はなかなか減らない
昨日の夕方
長年使っていた歩道橋の
撤去が始まる
というお知らせが
郵便受けに入っていた
それはきっと
寂しい話に違いなかった
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