透明人間/
 
飲み会で端っこの席に座った
大勢が向き合って並ぶ真ん中で
何やら盛り上がっている
楽しそうな笑い声は
僕の手前でバリアとなって
僕を透明にしてゆく
他所の集まりを眺めているよう
僕という要素は無くても問題ない
一層笑い声が大きくなって
僕の心の底に静けさが芽生えた

ひっそりと
僕は消えた
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