なんの予定もない冬の旅をしてみたい/秋葉竹
 

 

どれほど日々の暮らしに追われても
これがうまくいかなければ
とてもまずいことになるということを
なんとかこうにかこなしてみても

かかえた罪はきえてくれない

食べることが必要な理由を知ると
なんだか食べるものが美味しくなくなる
とてもまずいものでも
食べるのに必要な理由があるのって
なんだか子どものころの
飲めなかった牛乳を想い出すから
とてもまずい気分になるよ



守るべきものは風に流され
大切なこころが失われていくのか

あなたはけらけら笑いながら
「世の中なんてひっくり返してやるわ」

とおく街に 灯のともるゆうぐれ
あなたをだきしめて伝えたい

あなたはひとりっきりの痛みを数えて
かってに闘っちゃだめだ

真顔で僕の目をしっかりとみながら
その言葉を聴いたあなたはちいさくうなづき

「なるほどそのとおりなんでしょう?」

「『だがことわる』といってみたいわ」








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