青と赤/ミナト 螢
静かに流れる時間は
君がいない海のように冷たい
自分を抱いたベッドの中で
溺れそうな朝も
溢れそうな夜も
ひとりになって
冒険するには
言葉だけじゃ足りなくて
思い出みたいな静脈が
綺麗に見えるのだ
あの時、何も言わなくても
全てを分かってくれた
君の柔らかい指先は
何に触れているのかな
もう僕のために
重ねることのない心が
いちばん欲しかった
サンタクロースにも
叶えられない願いを持ったら
大人になったんだなんて
無理やり背伸びをして
僕は何になるつもりなのか
夢とか希望とか
それに近しい形を描いたら
恥ずかしいから
夕陽の中に隠そうと思う
あの日の僕等が
そうしたように
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