こんやは、おやすみなさいませ/秋葉竹
 
  
 

肌をあたためて
あげるから信じてねって
すり寄ってくる女の子がいて
「ありがとう、救われます」
ただ、警戒が解けなくて困るんだ

生きてくことって色々あって
すべてを信じられたなら
過去の罪を帳消しにしてもらって
ゆっくりと、謝罪と処罰を頼み入ります。

すこし自信無さげなエンジニアが
宇宙の青空をじっくりと訊ねられた。


「夢の置き場を どうすればいいの」
睫毛は伏せて
すこしふるえながら

「それがわからないまま
好き嫌いを先に決めないで
それじゃあ迷ってしまいますよ、ね?」

ちいさな声をのみこんで
しばらくすると
きえかかるかすれた寝息が聞こえた

今夜はなにかと騒がしい夜なのに
悲しみに覆われてこんな夜に
新しい玉ねぎを剥きながら、泣く
静かなベッドで眠りましょうね

「ありがとう、もう眠りますね」

「神さまのみこころのままに、
こんやは、おやすみなさいませ」








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