はぁと/秋葉竹
 

 

風の音だけが聴こえます
キリキリと
なにかに耐えながら
なにかに怯えながら
蒼く
まっすぐな視線で吹く風は
正しい大丈夫を
バッサリとキリキリと切り裂いて
それをみつめる私の獣の目は
本能的に足下の靴をみつめるのです

おとぎぞうしみたいな夢をみても
ゆめなかで
ほんとうの獣の目は泣かないでしょう?


世界がゆるやかに
いつか終わる時間の終わりへ向かい
正確な時を刻んでいるとしたら
私がもてあました夜を
だれに捧げれば良いのでしょう?

世界の朝はそれでも
凍てつく夜を乗り越えられますか?

そこには私の心が転がっています
とざされた氷のはぁとのかたちの

お希みであれば
かきごおりにして
どうぞお召し上がりくださいね

やっぱり甘いのかな?








戻る   Point(3)