銀の時間/秋葉竹
 


 

窓から射し込む陽光が
黒い大きなソファーにあたる

おだやかな午後

休日のテレビはすこし騒がしく
ボリュームを落としてふたりはスマホをみる

なにを語ることもなく
あたたかな抹茶オーレはふたりぶん
そろそろ冷めたようだ

時間だけが
十字架のように
敬虔な色をして流れている

スマホから顔をあげず
そろそろ晩御飯を買いにゆこうと
義務のひとつとして納得して
ようやく目と目を合わせて
もちろんこの問いに
ふたりして悩むことになる

『晩御飯、なににしよう?』









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