朧三日月/
本田憲嵩
冬の夜空には、三日月、
その視線のさきには、ひとつの星、
まるで、かつての、僕と母、
みたいな、
毛糸の帽子をかぶって、
なんだか無性に微笑ましい、
おぼろげな記憶のまま現在になっている、
白い息を咲かせながら、
ショッピングモールのなかへと入ってゆく、
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