顕零鏡/
ひだかたけし
光の風に乗り
青みのみちゆく
この街角にて
すこしずつ時の過ぎゆき
みちみちた青みの吐息し
蒼白の波のうねり
重ねに重ねられ
この街角から
逃れゆく光の風の貝殻の
波打ち際の潮の響だけ
この街角に
木霊し続け
青み人の名の
次第に失われ
降りはじめる雪 しんしんと
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