仰覧/ひだかたけし
 
浮かび立つ坂道の奈落暗闇へ
おくまりしずか消えいく人、
担い抱え持つ悲しみ喜び怒り
一つ内なる場所へと収束し
滲み重なり合う瞬間
この場所にて爆発する
沸々と透徹した想い、
奈落暗闇を貫き通す

貫き通しながら
響き上がる閃光放ち 、

天より次々流れ来る

冷たい雨滴となり
もう絶え間なく
生き残った人の
混濁した魂を洗い

しずやかおくまり
雨垂れ一滴一音ずつ
  、
今に魂の
一時一瞬の
狭間 鮮やか
聴き取りながら

只 透空を仰ぎみる










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