光響の残跡/ひだかたけし
 
貴女の肉体はもんどり打ち
苦悶に波打ちもんどり打ち
何度も何度も反り返り
持ち上がりもんどり打ち
去らせて貰えぬ魂の
貴女ヲ担う肉塊の抹消

待ち望んでいるんだ

どれほど長く待ち続け
それでもずっとずっと
新しい貴女魂の素性、
とっくにもう滅んで居る
この肉体と云う棺の中で

堕ち尽くし初めて反転し

苦悶の肉塊を自ら担い
立ち上がり登る昇る
意識の核心にて
一斉に起立し躍動し
咲き誇り音色豊かに吹き渡る

声々、懐かし久しく失い来たもの

清新たる精神の鮮烈な野性を掻き抱く

一度ならず怒りの鉄槌を打ち下ろして
羞恥心越え己の罪禍禍根内懐を意識化し

今に自ずと消尽し 地に還る肉の無機を見届け







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